Mogicはかんがえる

少人数+ソフトウェア+サーバやロボットの組み合わせで
新しい時代の会社経営を進めています。
そのプロセスの一部をこのコーナーでお伝えできればと思っています。

代表取締役 山根陽一

2024.01.15

ベストじゃないプロセス

いつもベストなプロセスで進められればいいのですが、必ずしもそうではありません。

むしろベストの方が少ないんじゃないか、と考えれば日頃からトレーニングの仕方が変わります。

ITサービスを作るにあたり、プロジェクトを立ち上げます。

メンバを集め、お金を算段し、アイデアを出し、市場を調査し、スケジュールを立て、モチベーションを上げ、要件にまとめ、デザインを描き、コーディングして、インフラを構築し、システムを設計して、プログラムを書き、データを流し込んで、テストをしたのち、不具合を修正し、プレスリリースをまとめ、メディアに出てから、ユーザーが使い始める。

簡単に書いてこのステップ数ですから、すんなりいく方が珍しいでしょう。

さらにメンバのスキルが違い、コミュニケーションの方法が違い、得意分野が違い、これまでの経験が違い、抱えている仕事量が違い、これまで生きてきた環境が違い、重視している価値観が違い、年代や性別が違い、楽しく感じることが違います。

いわずもがな、バラけている方が普通です。

ならばと、普通であるはずのベスト"じゃない"プロセスにどんなものがあるかと想像してみるのです。

少し考えると、むしろその方が難しいと分かります。

なんといっても分岐していくパターン数が膨大になりますから、そこから思考が先に進みません。

でもそうすると、ベストじゃないプロセス自体を想定できませんからトレーニングができないことになります。

ベストなプロセスを目指すために、ベストじゃないプロセスへの対応力をつけたくても、ベストじゃないプロセス自体を思い描けないということ。

このジレンマをどう克服すべきなのか?

そもそもあらかじめ人のスキルや経験を標準的に選抜し、プロセスに共通ルールを適用することでブレを最小化するという解決策もあるでしょう。

ですが、本当はベストなプロセスなんて存在しないという感性を共有し、目の前に立ち上がる不完全さにチーム全員が足を止め、納得するまで膝をつけ合わせる時間が重要なトレーニングになるんだろうと思っています。

2024.01.09

当たり前をスローモーションで

ゆっくりと時間のある時にこれまで知らない分野を覗いているですが、最新の化学領域に目をやるとアト秒、つまり10のマイナス18乗秒という単位で新たな測定が始まっていると聞いて驚くばかりです。

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アト秒科学で波動関数をみる ※括弧内の秒数は分かりやすく追記
https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10039911.html

それぞれの時間領域には、それぞれ特徴的に起こる現象がある。

物質に光を当てたときに生じるりん光の寿命は、マイクロ秒(100万分の1秒)の領域である。

同様に物質に光を当てたときに生じる蛍光の寿命は、ナノ秒(10億分の1秒)からピコ秒(1兆分の1秒)の領域である。

分子の振動波束運動や分子中の原始の組み換えを伴う化学反応は、フェムト秒(fs:1000兆分の1秒)の領域で起こる。

アト秒(as:100京分の1)時間では、分子の構造変化が起こるよりも速い時間で、電子ダイナミクスを測定することができる。
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ここまで微小な時間単位とはいわず、日常生活でも設定された時間の枠によって見えるものが違ってきます。

高速道路を飛ばして流れていく景色とぶらぶらと道草して感じられる風情。

せかせかと急いで向かう通勤路とふっと夕ご飯の支度が感じられる帰り道。

達成したくジリジリ焦る気持ちとありがたさにしみじみと感謝する心持ち。

ということで、今年は一つ、当たり前だと思っていた仕事をいろんなスローモーションで捉え直してみようかと思い立ちました。

スローにすればこれまで見逃してきた大事なことを見つけられるかもなあ、とまで書いてから、ああ、すでにこの前置きこそ、年始のご挨拶としては長く間をとりすぎました。

気をとりなおして、今年のMogicは15周年イベントが盛りだくさんです。

みなさまに楽しんでいただけるよう、準備をはじめています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2023.12.25

静かに仕事を納めていく

年末はインフルエンザや風邪が流行っていて、静かに仕事を納めていくモードになりました。

緊急連絡網はアップデートしたかな、戸締りし忘れそうなところ分かってるよね、元旦のメール配信は事前にテストするんだろうなあ、仕事始めの準備もしないとね。

いつもと違う流れだからこそ、見落とさないようにしっかりチェックしたいものです。

立場柄、うん、そうですね、そうこう言ってはみるものの、このゆったりした空気感も捨て難く。

ズザザザとシュレッダーに書類を入れたらあと1週間で来年だなんて、信じられないなと思っています。

2023.12.18

仕事は有限にしかこなせない

たまに仕事のスピードを劇的に上げたいという人がいて、「じゃあ、もし今の2倍になったらどうするの」と話しかけます。

「単純に2倍の量をこなします」という人もいれば、「浮いた時間でやりたいことをやります」「新しいスキルのために勉強します」という人もいます。

であれば「びっくりすることに、4倍になっちゃったらどうする」と聞いてみます。

4倍にできれば今の仕事時間が25%まで圧縮されますから、ほぼ別次元の話に見えるでしょう。

「すごく理想的ですね」といわれそうですが、遅かれ早かれ次は仕事の量が4倍以上に増える気がしています。

ありえることとして

自分が早く仕上げた分、誰かに渡した仕事が早まって戻ってくる可能性

または

あの人は仕事ができるからと、次から次へと仕事が回されてくる可能性

または

周囲の人がやり方を真似ていき、会社全体の仕事量が増えてくる可能性。

つまり、作業スピードの上昇はさらなる仕事量の増加を持たらすという仮説がありえます。

もう一度スピードを上げても、同じことがくり返される。

もしそうなら、スピードの早い遅いに関わらず仕事量はいつも無限に見えるという地点にたどりつきます。

個人の時間と健康は有限なのに、会社の仕事量は絶えず無限に思える。

気がつくと、あらゆる期限と達成度ばかり気にしている。

その思考が行きつく先はどこなのでしょうか。

不明瞭なら、理不尽さを感じます。

ですから、実はスピードの上がらない自分に落胆するんじゃなく「仕事を有限にしかこなせず、今のスピード以上に上げられない自分は何をすべきか」が課題なんじゃないかと思ったり。

2023.12.11

焙煎した豆をグリグリと挽く

オフィスにつくと、はじめにコーヒーの生豆を焙煎しています。

奥にあるキッチンからパチパチと勢いよくはぜる音に、カカオをすり鉢で練りつぶすような香ばしい匂い。

昔は金物のかご網でぎこちなく炒っていたのに、今では自動の焙煎機が迷いなくやってくれます。

もうすぐ生豆がなくなりそうだったので、今回頼んだのはブラジルのエスプレッソレディーとインドネシアのマンデリン・グランレイナ、それにオリジナルのクリスマスブレンド。

いつも通り気軽にワン・クリックで注文、されど届くまでに本当はとんでもなく長い道のりなんだろうと想像しながら。

そう、はるか遠い大地でコーヒーチェリーと呼ばれる赤い実は瑞々しい果肉を取り除かれ、熱帯の強い日差しに干されてから丈夫な麻袋にずっしりと詰め込まれると、コンテナを運ぶ船便で揺られ続けて数ヶ月、彼の地で丹念にピッキングされグラム単位の小袋となって、最後に決められた日時の正しい場所にたどりつく。

一本の細くて長いロープを、一人一人の見える現実で綱渡りしている感じ。

今はそんな時代なんだと踏ん切りをつけて、1週間前に焙煎した豆をグリグリと挽いてみんなのコーヒーを作っているとやらねばならないことを思い出しました。

近くにスペシャルティコーヒーのお店ができるんだから、早々にご挨拶にいかないと。

それもそうだし、いつもお世話になっているケーキ屋さん、中華料理屋さん、花屋さん、豆腐屋さん、弁護士さん、大家さん、歯医者さんに来年のカレンダーをお届けしないと、と。

思えば、本当に大事なことはいつも限られています。

とかく遠くばかり夢見がちなIT企業だからこそ、石神井というローカルで仲間と共にはたらくことがとても大切なのです。

2023.12.04

行く川の水面に善く知る

経営に関するロングインタビューを公開したのち、「戦略、目標、野望、ビジョン、ミッションの違いってなんなんでしょう?」と質問を受けたので少し考えてみました。

最近発売された本に近しい感触の文章を見つけたので引用してみます。

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戦略の要諦
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/10/13/01057/

戦略の策定とは、単なる意思決定ではない。

意思決定の場合、とりうる行動の選択肢があらかじめリストアップされていて、その中から選ぶことが想定されているが、戦略を立てるときはそうではない。

まずは課題の特定から始まる。

また戦略策定と目標設定は違う。

戦略は組織が直面する課題から始まるのであって、先に最終到達地点としての目標を設定するのはあべこべである。

けっしてゴールから、つまり目標設定からスタートしてはならない。

いま何が問題なのかを理解することから始め、成否を決するポイントを見きわめることが戦略策定の王道である。
ーーーーー

個人的には、目標、野望、願望、ビジョン、ミッションはほとんど気にすることなく、戦略のあり方だけに集中すればいいのではと思っています。

戦略に他の要素が数珠つなぎに連なると予想しているからです。

では、戦略のあり方はどうするのか?

禅問答のようですが、行く川の水面に刻々とうつり変わる自分たちを善く知るが如くです。

2023.11.27

未来の自分は何を伝えるのか

かつて企画職だったので、気がつくと未来のことを考えています。

未来といっても今日の延長にある未来像ではなく、未来のある地点から見た今日の自分たちです。

分かりやすくいうと「10歳年上の自分なら、今の自分に何と言うだろうか」となります。

10年経つ間に、目がショボショボしたり、腰が痛くなったり、子どもが巣立っていたり、親の面倒を見ていたり、田舎がさびれていたり、探せる知識がずいぶん増えていたり、年金受給の年齢が上がっていたり、食料の調達が大変になっていたり、社会を揺るがす出来事があったり、会社の組織が変化していたり、一緒に働くメンバが違っていたりするでしょう。

それらを経た未来の自分がなんと言うのだろうかと。

ヒントになるのが、今の自分なら10年前の自分になんとアドバイスするかと考えることです。

10年前、今のオフィスに引っ越す前、主力サービスを立ち上げて1年、メンバは今の1/3、実績もなければノウハウもない、コロナ禍もなければインフレもない。

あれこれ言いたい気持ちをおさえて3つだけ伝えるでしょう。

自分たちの信じることをやればOK、予想できないことが多いから柔軟に動けるように、個人技とチームワークを高いレベルで両立させて。

さて、10年後の自分は今の自分たちに何を伝えるのでしょうか。

2023.11.20

Mogic冬の風物詩

今年も残り40日ほどになり、会社で大掃除が始まりました。

営業日でいえば28日ぐらい。

やり残したことはないかと話していたら、山盛りありました。

ですが、いいんです。

むしろ絞りに絞って、一つ、二つはやり遂げることにしました。

年末にお配りするカレンダーと、年始にお届けする年賀アプリ。

Mogic冬の風物詩、二つの地獄プロジェクトは佳境に入りました。

この数ヶ月の苦悩が良い思い出になることを願っています。

ご存知ない方は過去のプロジェクトをどうぞ。

【カレンダー2023】https://branding.mogic.jp/a/13685
【カレンダー2022】https://branding.mogic.jp/a/13678
【カレンダー2021】https://branding.mogic.jp/a/13665

【年賀アプリ2023】https://microtech.mogic.jp/a/13625
【年賀アプリ2022】https://microtech.mogic.jp/a/13623
【年賀アプリ2021】https://microtech.mogic.jp/a/13619

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